Want to be a cook・・・??

塾講師という仕事をしていると、本当にたくさんの色々な生徒と出会います。

自分の経験、自分の人生観、哲学など、全くかなわない現実をみることもしばしばあります。

それは、純粋無垢な子どもたちを相手にしているからかもしれませんが・・・

仲良しのM先生と、よく食事をして情報交換などしたりしますが、

その先生も同じような事で悩んでいらっしゃったりします。


伝わらない・・・何度同じ事を教えても・・・

教え方が悪いのか試行錯誤しながら、私達は誠心誠意指導しても・・・

やっぱり成果に繋がらない・・・結果に繋がらない。

やりきれない生徒との温度差や、挫折感。

もちろん私達の指導などなくても、どんどん一人で出来る子もいます。

ただ、教えても教えてもまた振り出し・・・そういう子もたくさん居ます。

例えば・・・

中学の2学期中間試験が先日終わりましたが、2年生の英語の問題。

「あなたは将来何になりたいですか?英語で答えなさい。」という、問題が過去に必ず出題されているので、

英語が得意でない子でも、それを答えられるように、あらかじめ練習させています。

医者になりたい子は「I wanto to be a doctor.」野球選手になりたい子は「I want to be a beasball player.」です。

その子は本当は「水泳教室の先生」になりたいらしいのですが、(水泳がとても好きな子です。)

「swimming instructor」そのスペルは彼女には難しすぎました。


そこで、担当のM先生はその次になりたい職業の 「調理師」「cook」を答えることにしました。

テストで高得点は望めないまでも、確実に正しく答えられる問題に絞り、

M先生は、夏休み明けからその子を専任し、約1ヶ月半、ただひとつ

「I want to be a cook」だけを憶えさせました。


「これは6つの単語だからね。いい?I want to be a cook だからね。

be の次の a も忘れちゃ駄目だよ!!」

それはそれは熱心に、毎回、口を酸っぱくして教えていました。


先日、彼女はいよいよ英語の中間試験に臨みました。

M先生も気が気ではありません。

その当日、問題用紙を持って来たその子に訊ねました。

「この問題、ちゃんと答えられた?」


「うん!!大丈夫だよ。Want to be a cook・・って書けたよ!!」


「・・・・」

その先生は一気に徒労感で一杯になったそうです。

「努力すれば何でもできる」ということばがあります。


しかし・・・M先生の格言です。


「結果のでない努力は、ただの徒労だ。」

私達は、その子も含めて、そんな結果のでない努力を常に続けているのです。


確かに・・・その子を褒めてあげる事は確かに大切なのです。

「よくがんばったね。」って・・・

でも・・・これは、私の格言です。


「同情では人は育たない。」

 Want to be a cook・・・??



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2010年11月12日 Posted byさち at 01:15 │Comments(0)随筆

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